その地に足を踏み入れて何を思う…。 気の向くままに旅立ち、その地に足を踏み入れる。青い空と海と広い大地が自身を包み込んでくれる。流れる雲の如く、大地を駆け巡り、陽の光を浴びては風に踊りて空に舞う。


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NZ旅行記編 第三章 ミルフォードサウンド

 飛行機滑走路を左側に見ながら更に数百メートル進むとミルフォードサウンドのシンボル的な存在であるマイターピークが視界に現れる。写真画像などでよく見る山である。やがて進む道路の右側には緑色の屋根の建物が見えてくる。
この建物は一見観光客用のホテルに見えるのだが、実は此処の観光地で働く従業員の宿泊場所とミルフォードトラックを利用する為の観光客の宿泊場所(Miter Peak Lodge)となっているので一般観光客の宿泊は出来ない。またミルフォードサウンドには一般観光客が利用するホテルや宿泊施設は無い。ミルフォードサウンドで宿泊したいと考えているのであれば、観光客船によるオーバーナイト・クルーズしかないのではなかろうか・・・。
その施設建物の前を通る高速道路を介在して左右に駐車場があるが、左側が一般観光客が利用できる無料駐車場である。




ミルフォードサウンドの案内板(マイター ピーク ロッジ前の無料駐車場からの撮影)
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前方にミルフォードサウンドのシンボルでもあるマイターピーク(Miter Peak)を望む
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 ミルフォードサウンド(Milford Sound)は、ニュージーランド南西部に位置するフィヨルドランド国立公園で、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。また年間7000~8000mmの降水量があり、年間の2/3は雨天候でもある。故に、世界中からミルフォードサウンドを訪れる観光客は多く後を絶えないが、雨量と著しい天候との関係で晴れた日が少なく自然美とする素晴らしき景観が望める機会も少ないという難点がある。

 私がミルフォードサウンドに到着した昼頃は、陽射しは肌にやや突き刺す程度の暑さであった。天候は穏やかで快晴ではあったが、午後の13時頃から風が吹き出すと雲が次第に増えては空模様が大きく変化した。午後の15時頃には風も強く吹き荒れ始めると空は雲に覆われて視界が薄暗く感じた程である。そのようにミルフォードサウンドの天候は変化が著しい。




無料駐車場からのマイター ピークの撮影。上述した写真の撮影から1時間後の急激な天候の変化
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  実は、このマイターピーク(Miter Peak)は世界一高い山と称されている。見るからにそんなに高くは感じないので、どこが世界一高い山なのか・・?と疑問を抱かれるであろう。写真からは判断し難いが、マイターピークは標高が1692mある。この駐車場の前方とマイターピークの間には海がある。この海は湾岸となっていて前方遠くには入り江があり、そこから先は大海原(タスマン海)である。この海の海面から切り立つように聳え立つ山としては世界一高い山とも云われている。

 この駐車場から更に道路を300メートル程先進むと観光客船のターミナルがある。このターミナルでリアルジャーニー社のマリーナ号でのオーバーナイト・クルーズに参加する。このツアーは夕方の17:00分に出航し入り江附近で停泊すると翌朝の午前9:00には帰港する。

 午後の16:30分、ターミナルの集合場所で切符を受け取るとマリーナ号に乗り込む。この客船はエンジンで駆動する仕組みだが、船体に帆らしき物が備えられている。観光場所を帆を広げては風力で走行する事もあるようだ。
 17:00分、マリーナ号は入り江を目指して出航する。この日の夕方頃には風は次第に強まり、更に強く吹き荒れると、船体は揺れて船の甲板に立っている事さえ困難であった。
やがて、客船が入り江近くまで進むと突然にも風は止んだかのように静まり返るが、海水は波ひとつ発てずに水平さを保った状態で横たわっている。海水の色はエメナルドグリーン一色に染まったような美しさであり、周囲は自然の岩山と森林があるだけに、風の音も波の音も感じられない。恰も全ての物が活動を止めて眠っているかのようにも、或いは息を潜めているのかのようにも思える。
その物音一つしない大自然の静けさには、どこか不気味なものさえ感じられる。時に自然に耳を傾けて澄ましてみると、微かではあるが、何処からともなく囁き掛ける声が聞こえる。小鳥の囀りだろうか・・・。木々の枝葉の間を通り過ぎる風の音なのか。重く横たわる空間の中に微かではあるが生き潜む物の息吹が感じられる。途轍もなく長い歳月の過程で、こうした息吹が繰り返されているのだ。これこそが大自然の生命なる躍動なのかも知れない。




 マリーナ号は、この入り江付近で停泊する。客船に備えられてあったカヤックが降ろされると乗客は思い思いにシーカヤックを愉しんでいた。

入り江付近での観光客船ワンダラー号
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 夕方になるとマリーナ号の船内で食事を取る。料理はバイキング制であるが、正直、日本人の口にはちょっと合わないかも知れない。夜は予約した其々の客室で宿泊する。客室は10数人位が入れる相部屋と家族などが入る個室とが有る。私は相部屋は好かないので一番費用の高い個室にした。個室にはベッドが二台とシャワーとトイレが備わっている。シャワー室は狭く身体を洗うには不便だが、ベッドルームはやや広く波の微かな揺れが助長してか快適な睡眠であった。

 翌朝、目が覚めると周囲の山々は厚い霧に覆われていた。客船の女性スタッフに「今朝は霧が濃く天候が悪いようですね。今日は晴れるのでしょうか?」 尋ねると、女性スタッフは「天気は何時もこんなものですよ」 と笑顔で答える。朝食を済ませるとマリーナ号は更に入り江まで近づき旋回して戻ろうとする。
すると。何処からともなく数十頭のイルカの群れが現われては客船の横に付いて泳いでいる。私達を歓迎しているのであろうか?海面すれすれに泳いでは海面から身体を出したり沈めたりして泳いでいる。
ミルフォードサウンドでは、イルカの他にアザラシ、ペンギンや鯨なども観られる。
また、ミルフォード湾には幾つもの滝がある。水が岩山から海面に落ちる落差151mのスターリングの滝があり、客船の船首を落下する滝の真下まで近づけると客船の乗客はその受ける水飛沫で全身がびしょ濡れになる。




落差151mのスターリングの滝
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 午前9:00頃、オーバーナイト・クルーズのツアーを終えてターミナルに帰港する頃には、天候は次第に悪くなり小雨が降り出した。客船から降りるなり足早に駐車場へ駆け込んではクルマに飛び乗る。そしてミルフォードサウンドを背にするとクイーンズタウンへの帰路を走り続けた。

 今も想いだす度に、ミルフォードサウンドでの素晴らしき景観とする自然美が鮮明に甦ってくる。
この旅行へ行く前は、旅行誌やインターネットだけでしかミルフォードサウンドを知る事は出来なかった。情報は全ての物事を知る上で、その行為に役立つ可能的な方法ではある。然し、情報のみだけでは全てを知り得ないものもあり、決して知り得ないものもある。
この旅行とする体験によって知り得たのは、自らの足で現地に踏み入れて、自らの目で観ては自らが体験し知り得る事(行為)であろうと思う。それこそが旅行というものであり、旅行そのものの醍醐味ではなかろうか。

それ故に、誰が知ろうというのか
視界に広がる自然の姿を
その美しき存在を

その地に足を踏み入れた者でしか
決して知り得ないものであろう

視界に広がる大地の緑を、
青い空と海の澄み切った色を
その限りなき深さを






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※ Fiordland NP and Milford Sound, New Zealand in HD 共有(転載)











by ex-bluemail | 2012-02-11 13:40 | NZ旅行記 | Comments(1)
Commented by 職歴の書き方 at 2013-03-05 12:07 x
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。